2009年12月11日金曜日

県内地デジ対策 ケーブルテレビと連携


 総務省が発表69.5%にとどまり、計画の72%に届かなかった。テレビのアナログ放送終了(2011年7月)まで600日を切る中、地デジ放送完全移行へ国を挙げた対策が急がれる。

■他県の数倍の費用

 調査は、全国約1万3000人(県内172人)を対象に、地デジが受信できるテレビやチューナーを持つ家庭を調べた。都道府県別普及率では奈良が78.4%でトップ、最下位は岩手の55.2%。佐賀は65.7%で35位だった。
 佐賀の最大の問題は、民放ローカル局が1局しかないため、デジタル化に移行してもNHKと合わせ2局しか視聴できない点だ。これまで通りに他局を見るためには、一部を除いて電波の弱い県外波を増幅しなければならず、ブースターという器6万円と、他県の数倍の費用がかかる。その上、県内は2世代同居などでテレビが複数ある世帯が多く、特に古い家屋では屋内配線にさらに10数万円の費用がかさむケースもある。
 デジタル化は、携帯電話の登場などで窮屈になった電波の周波数帯域問題を解決する上、画質や音質が鮮明になる。インターネット的に使えるデータ放送や、音声解説をつけることも可能で、障害者や高齢者にやさしい機能がいっぱい。また既に半年前に完全移行した米国をはじめデジタル化は世界のすう勢で、日本だけが実施しないという選択もありえない。
 だから国も01年7月に地デジ化に向け電波法を改正、10年後の実施を決めた。ただ、これらすべてを国の主導で進めながら、受信に必要な費用は世帯負担という姿勢には批判が強い。県もこの点を指摘し、国に対策を訴えてきた。結果、ようやく国も専門チームをつくる方針を固め、解決に向け動きだした。
 佐賀対策は、基本的には個々の世帯対応ではなく、ケーブルテレビに委ねようという考え。アンテナ受信は地域や家庭のテレビ台数によって工事内容が変わり、費用も異なるが、ケーブルテレビは地域や家庭の状況に左右されず安定した受信が可能、負担も公平になる、というのが最大の理由だ。

■受信状況の確認を

 既に県内の4割に当たる約12万世帯が加入しており、民放地上波すべてを視聴できる。難視対策やデジタル技術で群を抜く実績がある。何より万一、地デジへの完全移行が計画より遅れることになっても、ケーブルテレビは地デジ放送をアナログテレビで視聴できる「デジアナ変換」の担い手。中長期的に安心して任せられるという判断だ。このため市や町の中にも県と連動し、ケーブルテレビとの連携に動きだすところが出てきた。
 県はまた県電器商業組合に委託して、地デジに関する県民からのさまざまな質問にこたえる「地デジ県民サポートセンター」を開設した。地域やグループ単位に説明する国のデジサポ佐賀と違い、個々の世帯からの問い合わせに細やかに答え、アドバイスしてくれる。まずは自らの受信状況を確認し、その上でケーブル局に加入するかどうかも含め、それぞれが対策を考える時期が来た。

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