2012年4月22日日曜日

日韓シニアネットフォーラムin佐賀


 5月24日に佐賀市富士町で開かれる「日韓シニアネットフォーラムin佐賀」のコーディネイト役を引き受けることになった。県情報企画監の廉(ヨム)宗淳さん(51歳)からの依頼では断れない。

 廉さんは東京に本社を置き、コンピューターソフトウェアの開発・販売などを手がけるIT企業「イーコーポレーションドットジェーピー」代表取締役で、佐賀県の情報企画監や青森市の情報政策調整監を勤めるなど日韓をまたにかけ、しかも官民二足のわらじをはくエネルギッシュな国際人。彼が5年前に佐賀県庁にやってきて以来の付き合いだ。

 彼は佐賀県庁内システムの全体最適化のけん引役として知られ、全国の自治体の注目を集めている。どの部署がいつ、どんなシステムを、どのベンダーからいくらで導入し、さらにぞれぞれが何をやっているかなど情報システムの全体像を常に把握し、分析できるシステム。これを佐賀県が独自に開発したことで全国自治体の注目を集めている。

 その廉さんが今回のフォーラム第2部で「ICTがつなぐ、深める日韓の絆」と題し基調講演。これを受け「ICTが変えるシニアの観光」のテーマでパネルディスカッションをやる。

 主催は豊かで活力に満ちた高齢化社会の実現を目指す熟年・高齢者世代自身が情報機器を駆使し活動する「メロウ倶楽部(mellow=円熟)」と韓国高齢者情報化教育協議会KJクラブ 、シニア情報生活アドバイザー佐賀。

 「メロウ倶楽部」の存在は聞いていたが、自身がセカンドライフに入った直後に直接かかわりあえるなんて、なんとまたタイミングのいいこと。廉さんからの依頼は、実は渡りに船みたいなものだった。

 第1部は日韓のパソコン愛好者のシニアたちが集い、最新のタブレット型情報通信端末「iPad」や「スマートフォン」について学ぶ。そして2部のシンポではインターネットを活用した新しい観光、国際交流についてシニアの声を発信する。
 
 舞台は湯の町・古湯。廉さんの講演では、住民の平均年齢70才の韓国・ポリコッゲ村がITの活用などで年間100人だった観光客が1万人に増えたという話も織り込まれるとか。情報端末を駆使しながら旅をこよなく愛するメロウ倶楽部副会長の若宮正子さん(77)らがパネリスト。なんだかすごく楽しそうで、元気がもらえそう。私自身が今からわくわくしている。

2012年4月3日火曜日

いきなりの突風

昨夜からものすごい風雨。雨は朝になってあがったが風は勢いを止めない。富山県では80代の男性が倒れた納屋の下敷きになり、石川県では同じく80代女性が道路で転倒して亡くなった。新幹線や飛行機など交通機関にも影響が出ているようだ。まるで台風。
 佐賀県庁前の桜は吹雪みたいに花びらを散らし、中には早くも葉桜に変わりつつある木もある。なんだか春がいくスピードが速い。例年だとゴールデンウイーク頃までいる、西堀のヒドリガモも4月を待たずに飛び去った。
 こちらが定年になってのんびり暮らしになったせいか、周囲の動きがやたら早く感じられる。

 堀のカモがヒドリガモに変わったのは15~20年前。それまではマガモがガーガーとにぎやかに暮らしていた。ヒドリガモが堀に飛来するようになったら、南側の堀にねぐらを移してエリアを分けていた。そのうちマガモの群れは姿を消し、一部のペアが市内の川で留鳥として過ごすようになった。5月になると卵から孵化した雛たちが市内各地で愛らしい姿を見せる。佐賀新聞でも紹介したことがあった。

 庭や公園で野鳥もようやく姿を見せるようになった。ネット上の図鑑で調べ、少し詳しくなった。
「鳥の名前を調べるための検索表」というとっても分かりやすいタイトルのサイトが、その中身もすごく調べやすい。
 愛媛県の泉原猛さんのブログだ。元NTTマンで、日本野鳥の会入会は45年前というベテラン。サイトには泉原さんの手による楽しいバードウォッチングのページがあり、眺めていると興味が広がり、あきない。ネットの世界はこうした素晴らしい情報を精力的に提供してくれる人たちがあふれ有り難い。

 突然の交通機関の麻痺には、モバイル情報が便利。鳥や花の名前を調べるなど情報を能動的に取りにいくにはもってこい。すばらしいメディアだ。テレビや新聞、特に後者は問題意識を育てるのに欠かせない。これら期間メディアと併用することで、自らの考えとして問題を整理できるようになる。こと情報に関する限りは、本当に快適な世の中になったものだ。

2012年3月31日土曜日

小林秀雄の「真贋」


3月もいよいよ今日で終わり。ソメイヨシノは早くも5分ほど開いた木もあり、ユキヤナギやコブシの白、レンギョの黄色がまぶしい。馬酔木も可憐な花をたくさん咲かせている。寒かった今年の冬がうそのような天気だ。

今月中旬まではちらりとも姿を見せなかったメジロがかまびすしく動き回り、ウグイス求愛の練習にも力が入ってきた。かつては街中で見かけることのなかったキジバト夫婦が当たり前のようにわが家の庭木の果実をついばんでいるし、近くの公園ではムクドリの群れがギャーギャーとやかましい。シロセキレイが流れるような早足で散歩途中の私の前を横切れば、桜の枝先ではシジュウカラより少し小ぶりのヒガラが身づくろいをしている。

ネットのおかげで野草や野鳥にもそこそこに詳しくなり、今日はどんな鳥に出会えるのかと楽しみになってきた。

ネットといえば、愛読しているライフハッカーの格言で小林秀雄の「真贋」を取り上げていた。有名な古物商が若いころ、素晴らしい志野焼の茶碗を見つけ3000円(教員初任給が50円程度の時代)で落札、狂喜していると、先輩の商売人から「あれはどこの会でも300円を出たことがない」と言われてしまう。実際、数日後にある金持ちのところに持って行ったが売れなかった。
それで彼にはやっぱり、その茶碗は美しく見える。そうして一晩、眠られぬ夜が明け、茫然と雀の鳴き声を聞いていると…「茶碗はいいのだ、俺という人間に信用がないだけだ」という考えがふと浮かび、その突然の安心感でぐっすり寝てしまう。

その後彼に信用がつくに従い、彼の茶碗が美しくなったことは言うまでもない。同じ人間が発する言葉でも、その人の信用や信頼性がその効果を左右する。
 「真贋」とはつまりはそこにある。同時に「信用」は一朝一夕には付かないし、せっかく付いてもひとたび間違えばあっという間に失ってしまう。その重要性もまたあらためて思った。

2012年3月28日水曜日

性暴力抑止について


 性暴力被害者の治療と相談を、新年度から佐賀県立病院がまとめて行うことが決まった。警察への被害申告がなくても医師の確認があれば、検査費や処置料など医療費について県が上限を設けずに全額負担する。支援拠点の医療機関と連携して身体面に加え、中長期の精神的サポート体制を確立するというもので、自治体独自のこうした支援は全国的にあまり例がないという。
 当然ながら性暴力問題はきわめて表面化しにくい。いわゆるドメスティック=家庭内暴力のうえ、相手が夫である場合が圧倒的に多いから、第三者に相談しにくい。
 それでもこの種の相談窓口が徐々に増えたことで、その件数が次第に増え、2009年度は全国で7万件と2002年度の2倍に達した。異性から無理やりに性交された経験がある20歳以上の女性は7.3%、うち被害をどこ(だれ)にも相談していない女性は62.6%に上った。
 この深刻な状況を受け内閣府が今年2月から3月にかけ全国一斉に調査した(パープルダイヤル―性暴力・DV相談電話―)ところ、佐賀県は九州で2番目、全国23番目に多い相談があった。佐賀県が今回のプランをまとめたのはことし1月。調査が始まる前だから、実にいいタイミングであり、当を得た対策だったといえる。
 それはともかく、このパープルダイヤルの中身をみると、相談件数は合計で20,462件、佐賀は208件だった。相談者の年齢は30代が22.3%、40代19.4%、20代12.7%の順。70代以上2.4%、10代1.2%だった。
 暴力を振るう相手は「元」も含め配偶者が85.9%と断トツ。交際相手は16.9%だった。暴力の継続年数は「16年以上」が20.7%でトップ。続いて1-3年が16.5%、6-10年11.9%。
 相談目的は「話しを聞いてほしい」が45.7%で最も多く、続いて「情報がほしい」31.2%、「来るべき時に備え準備」11.0%。「今すぐ避難」が2.0%あった。
 余談だが、このアンケート調査をどの媒体で知ったかについては、テレビが61.0%と断トツ。次がインターネットの16.4%。新聞はわずか7.3%と、ちょっと情けない結果に終わった。
 いずれにしろこの問題は年々増加の一途をたどっており、深刻。韓国では一昨年処罰を強化したにもかかわらず、昨年は犯罪件数が前年の2倍になったという。
 暴力を振るう男は最低だ。子供のころ(中2で生徒会の保険部長だった時)、このことを保健室の先生からしっかりと叩き込まれた。「女の子の体はとってもデリケートなの。男の子が優しく守ってあげないといけないんだよ」。中には私よりもうんと体格がよく、とっても頑丈な女子もいたが、異性の体の構造なんて何も知らなかったときに、生理の話を教えられたのは強烈なカルチャーショック。以来、女性に手を上げたことはない。
 個人的なつたない経験ではあるが。やっぱり思春期の教育が最も効果的だと思うのだが。

2012年3月1日木曜日

オカメインコ



ちょっと前の話だが、会社で若い部下たちがはしゃいでいた。聞くとはなしに聴いていると、セキセイインコなどの小さなインコを飼ってみたい、という話のようだ。どれどれ、おじさんの出番だ。i-Phonを片手に話の輪の中に首を突っ込んだ。

「キミたち、知らないの?」。i-Phonのシステムの中から「YouTube(ユーチューブ)」を選び、「検索」ボタンを押して「インコ」と打ち込む。操作する場所、ネットの環境にもよるが、その時は瞬く間に全国から集まったインコファンからの映像の便りが画面にびっしり開く。おしゃべりでいたずら者のオカメインコやセキセイインコ、ダルマインコたちがいっぱいだ。

「ぴーちゃん、おりこさんでしょ、ごはんあげるからね」。早口の高いキーでインコたちがおしゃべり。どれを選んでもほほえましい映像ばかりで、思いっきり癒される。
「YouTube」はもちろんパソコンでもOK。というより、もともとPC(パソコン)向けに作られたもので、今はスマートフォンでも使えるようになったわけだ。

最近は携帯電話に付いているカメラにも動画機能が付加され、ちょっとした映像が撮れる。この機能を使ってたくさんの人が可愛いペットの姿をアップしてくれる。自分で飼えない人が、その映像を見て癒される。

以前、コスタリカから佐賀大学にやって来た留学生と、その子どもたちと知り合い、その後地球の裏側に帰っていった母子から時折、「YouTube」の楽しいビデオレターが届く。しかもこの通信料はただ。なんだか申し訳ないほどだ。こんな素晴らしいものを利用しないって、もったいなくない?

プラス思考の大切さ


プラス思考で前向きに生きることが、結果として「ツキ」を呼びこむ。こんな事例が、実は意外に多いらしい。プラス思考になると、体内にセロトニンという神経伝達物質がたくさん分泌されて集中力が高まり、結果として事がうまく運ぶことにつながるという。この物質が不足すると、うつ病などを誘発する。だめだ、だめだとはかなんで沈んでばかりでは何も生まれない。夢や希望を持って明るく過ごす方が好結果を得られるのは、うなづける話だ。

知人に勧められ「ツキを呼ぶ魔法の言葉」という本を読んだ。本というより小冊子。ページ数は60ページに満たない。あっという間に読み終えるけど、読み終わった後、不思議なほど前向きな気持ちになった。誰もがそうなると、その知人が言った言葉は本当だった。ぜひお勧めしたい。

著者は材料工学や表面改質工学などが専門の工学博士、五日市剛 (いつかいち つよし)さん。学生時代に中東を旅し、そこで出会ったおばあさんに聞いた言葉を素直に信じ、実践した結果、その後の人生が幸運に恵まれたものに変わった、というお話。

そしてその「ツキを呼ぶ魔法の言葉」とは、「ありがとう」「感謝します」「ツイてる」 の3つ。
「運命というのは本当にある。つきも実は簡単に手に入る」と話すおばあさんは、いやなことがあったら「ありがとう」、いいことがあったら「感謝します」と何度も何度も繰り返せ、そうしてたらツキは必ずやってくる、と断言。また「絶対に人の悪口を言ってはいけい。人の口から発せられる言葉は魂を持っているから、常にきれいな言葉を使いなさい」とアドバイスしたという。

若いころ、この話を聞いたら一蹴していただろう。60歳を過ぎた今は理屈では(科学的には)説明できない、多くの自称があることを経験してきたからだろう、なるほどと素直に胸に落ちる。
「ありがとう」「感謝します」「ツイてる」 。「ありがとう」「感謝します」「ツイてる」 。「ありがとう」「感謝します」「ツイてる」 。なんだか気持ちが明るくなってきた。それでいいじゃない。

吉凶は


ことしは全国を猛烈な寒波が襲い、佐賀県内も数年ぶりに厳しい冬になった。特に2月に入った途端、一気に寒が強くなった。

ラニーニャ現象の影響らしい。南米ペルー沖の太平洋赤道付近で海面温度が低下する現象で、深海から冷水が海面に湧き出てくることで、太平洋で貿易風が強まり、西向きの海流が発生する。

この結果、日本では夏場に猛暑、冬は寒が強くなる。ちなみにラニーニャとは、スペイン語で「女の子」の意味。反対に、ここの海面温度が上昇する現象がエルニーニョ、「男の子」の意味だ。ともに数年おきに「異常気象」と呼ばれる強い現象を引き起こしている。今回も昨年11月ごろ、発生を予測する情報がネット上で流れていた。


ただ、ラニーニャ現象が起き、寒が強くなったからといって悪いことばかりではない。確かに風邪や交通事故は増える。しかし一方で、県内産のノリ生育にはこの寒さが幸いした。

有明海の水温が高くて不振だった秋芽網ノリと違って、冷凍網が好調だ。2月に行われた冷凍アミ3回目の入札会では、今季の販売量が初めて3億枚の大台を突破。前季を0.5%上回る3億2800万枚に達し、販売額も1.2%増の36億9900万円になった。
佐賀が誇る有明海苔の生産には、漁場の低水温が何より重要。高くなるとさまざまな病気や、赤潮など生産不能に陥る環境変化が起きてくる。

「吉凶はあざなえる縄のごとし」。何かことが起きると、すぐにマイナス面が強調されがちだが、もう少し視界を広げればこんなふうにちゃんとプラス面がある。
景気をはじめ、このところ世界中が暗くて寒い。
そんな今だからこそ意識して、明るい、いいことを見つける大切さを、あらためて思う。