1998年3月8日日曜日

デスク手帳 「子どもたちが気になる」

不況がどっかりと居座り続けている。公共工事は大幅カット、財布のひもは緩む気配なし。県内でも、このところ企業倒産のニュースが後を絶たない。今こそリーダーシップを発揮すべき大蔵省や日銀は、汚職まみれの体たらく。
 紙面に大見出しで、この現状を伝えながら、片一方でこれを読む子供たちの視線が気になる。増え続ける中学生の凶行が、決して無縁ではないと思えるからだ。「どうしたらいいのか?」、悲鳴を上げる現場の教師たちに、自身の姿がだぶる。
 子供たちを取り巻く環境は、われわれの時代とは隔絶の感がある。パソコン、携帯電話やポケベル、そしてバタフライナイフ…。インターネットは便利なツールだが、偏った情報だけを吸収していく危険も併せ持つ。大人の知らない世界が構築されていく。机の引き出しには、通販で手に入れたナイフも。
 彼らの人権は尊重しながらも、時に部屋の点検は必要だ。厳しい時代に、頑張るおやじの背中を、きっと見ててくれると信じていたのに、振り返ったら、息子はとんでもないところへ。こんな悲劇だけは避けたい。
 桜の開花も近い。子供たちの弾ける笑顔が大写しで載ったニュースが、今何より欲しい。

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