「本日、世は事もなし。よって、この欄白紙」。こんな社会面を、いっぺん作りたい。特に週末、ニュースがない時、心底そう思う。何で治安がこんなにいいんだ、と警察を逆恨みしたくなる。とんでもない人間になっていくようで怖い。
国際紛争、外交、スポーツ…地球が狭くなり、締め切りぎりぎりで、ニュースを突っ込むのは日常のこと。でも忘れられないのはフランスの核実験。五回も六回も輪転機を止めに印刷部まで走った。日本の片田舎の新聞社のデスクが毎回、夜中に廊下を走ってるなんて、シラクは知らず。「核実験反対!」。
出来立ての粗悪な新商品(インクで手が汚れるから、中身ではないので念のため)を持ち帰り、缶ビール片手に読み返すのが日課。当然ながら既に時刻は「明日」。愚妻がやおら起き出して、ひったくると社会面の左下から記事を読み始める。
「あら、私たちより若い人が亡くなってる!」
ボキャブラリーを駆使、考えに考えて見出しをつけたトップ記事は全く無視。いつの日か、彼女が目をむくような紙面を、と決意する毎日です。
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