平成一揆(いっき)の勝利だ。秋田県知事辞意表明のニュースを聞いて、瞬間的にそう思った。だから当日の社会面は「住民パワーが追い詰めた」の見出しで、この記事を迷わずトップに。
役人の抵抗にめげず、膨大な資料をもとに粘り強い調査で、不正を追及していった人たちの姿勢には頭が下がる。
借金しても返さぬ住専、公定歩合を一気に下げさせ、黒転した銀行、福祉を食い物にする役人、腰の重い司法当局、そして自治体まで…。まかり通る非常識に待ったをかけた市民たちの快挙だ。
正直に言おう。食料費の情報公開が始まった時、少しうっとうしさを感じた。取材は人に本音を迫る。そんな時、アルコールは重宝だ。予算の折衝も同じだろう、少々の出費は許されると考えた。ところがどうだ。裏金、カラ出張、カラ雇用…、あらゆる不正が全国で暴かれていった。
反省。繰り返される構造汚職の中で、私自身の「是非の定規」もひずみが生じていたようだ。現状が間違っていると感じたら、決してこれを肯定せず、追及していく報道本来の使命をあらためて肝に命じた。
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