2012年4月22日日曜日

日韓シニアネットフォーラムin佐賀


 5月24日に佐賀市富士町で開かれる「日韓シニアネットフォーラムin佐賀」のコーディネイト役を引き受けることになった。県情報企画監の廉(ヨム)宗淳さん(51歳)からの依頼では断れない。

 廉さんは東京に本社を置き、コンピューターソフトウェアの開発・販売などを手がけるIT企業「イーコーポレーションドットジェーピー」代表取締役で、佐賀県の情報企画監や青森市の情報政策調整監を勤めるなど日韓をまたにかけ、しかも官民二足のわらじをはくエネルギッシュな国際人。彼が5年前に佐賀県庁にやってきて以来の付き合いだ。

 彼は佐賀県庁内システムの全体最適化のけん引役として知られ、全国の自治体の注目を集めている。どの部署がいつ、どんなシステムを、どのベンダーからいくらで導入し、さらにぞれぞれが何をやっているかなど情報システムの全体像を常に把握し、分析できるシステム。これを佐賀県が独自に開発したことで全国自治体の注目を集めている。

 その廉さんが今回のフォーラム第2部で「ICTがつなぐ、深める日韓の絆」と題し基調講演。これを受け「ICTが変えるシニアの観光」のテーマでパネルディスカッションをやる。

 主催は豊かで活力に満ちた高齢化社会の実現を目指す熟年・高齢者世代自身が情報機器を駆使し活動する「メロウ倶楽部(mellow=円熟)」と韓国高齢者情報化教育協議会KJクラブ 、シニア情報生活アドバイザー佐賀。

 「メロウ倶楽部」の存在は聞いていたが、自身がセカンドライフに入った直後に直接かかわりあえるなんて、なんとまたタイミングのいいこと。廉さんからの依頼は、実は渡りに船みたいなものだった。

 第1部は日韓のパソコン愛好者のシニアたちが集い、最新のタブレット型情報通信端末「iPad」や「スマートフォン」について学ぶ。そして2部のシンポではインターネットを活用した新しい観光、国際交流についてシニアの声を発信する。
 
 舞台は湯の町・古湯。廉さんの講演では、住民の平均年齢70才の韓国・ポリコッゲ村がITの活用などで年間100人だった観光客が1万人に増えたという話も織り込まれるとか。情報端末を駆使しながら旅をこよなく愛するメロウ倶楽部副会長の若宮正子さん(77)らがパネリスト。なんだかすごく楽しそうで、元気がもらえそう。私自身が今からわくわくしている。

2012年4月3日火曜日

いきなりの突風

昨夜からものすごい風雨。雨は朝になってあがったが風は勢いを止めない。富山県では80代の男性が倒れた納屋の下敷きになり、石川県では同じく80代女性が道路で転倒して亡くなった。新幹線や飛行機など交通機関にも影響が出ているようだ。まるで台風。
 佐賀県庁前の桜は吹雪みたいに花びらを散らし、中には早くも葉桜に変わりつつある木もある。なんだか春がいくスピードが速い。例年だとゴールデンウイーク頃までいる、西堀のヒドリガモも4月を待たずに飛び去った。
 こちらが定年になってのんびり暮らしになったせいか、周囲の動きがやたら早く感じられる。

 堀のカモがヒドリガモに変わったのは15~20年前。それまではマガモがガーガーとにぎやかに暮らしていた。ヒドリガモが堀に飛来するようになったら、南側の堀にねぐらを移してエリアを分けていた。そのうちマガモの群れは姿を消し、一部のペアが市内の川で留鳥として過ごすようになった。5月になると卵から孵化した雛たちが市内各地で愛らしい姿を見せる。佐賀新聞でも紹介したことがあった。

 庭や公園で野鳥もようやく姿を見せるようになった。ネット上の図鑑で調べ、少し詳しくなった。
「鳥の名前を調べるための検索表」というとっても分かりやすいタイトルのサイトが、その中身もすごく調べやすい。
 愛媛県の泉原猛さんのブログだ。元NTTマンで、日本野鳥の会入会は45年前というベテラン。サイトには泉原さんの手による楽しいバードウォッチングのページがあり、眺めていると興味が広がり、あきない。ネットの世界はこうした素晴らしい情報を精力的に提供してくれる人たちがあふれ有り難い。

 突然の交通機関の麻痺には、モバイル情報が便利。鳥や花の名前を調べるなど情報を能動的に取りにいくにはもってこい。すばらしいメディアだ。テレビや新聞、特に後者は問題意識を育てるのに欠かせない。これら期間メディアと併用することで、自らの考えとして問題を整理できるようになる。こと情報に関する限りは、本当に快適な世の中になったものだ。

2012年3月31日土曜日

小林秀雄の「真贋」


3月もいよいよ今日で終わり。ソメイヨシノは早くも5分ほど開いた木もあり、ユキヤナギやコブシの白、レンギョの黄色がまぶしい。馬酔木も可憐な花をたくさん咲かせている。寒かった今年の冬がうそのような天気だ。

今月中旬まではちらりとも姿を見せなかったメジロがかまびすしく動き回り、ウグイス求愛の練習にも力が入ってきた。かつては街中で見かけることのなかったキジバト夫婦が当たり前のようにわが家の庭木の果実をついばんでいるし、近くの公園ではムクドリの群れがギャーギャーとやかましい。シロセキレイが流れるような早足で散歩途中の私の前を横切れば、桜の枝先ではシジュウカラより少し小ぶりのヒガラが身づくろいをしている。

ネットのおかげで野草や野鳥にもそこそこに詳しくなり、今日はどんな鳥に出会えるのかと楽しみになってきた。

ネットといえば、愛読しているライフハッカーの格言で小林秀雄の「真贋」を取り上げていた。有名な古物商が若いころ、素晴らしい志野焼の茶碗を見つけ3000円(教員初任給が50円程度の時代)で落札、狂喜していると、先輩の商売人から「あれはどこの会でも300円を出たことがない」と言われてしまう。実際、数日後にある金持ちのところに持って行ったが売れなかった。
それで彼にはやっぱり、その茶碗は美しく見える。そうして一晩、眠られぬ夜が明け、茫然と雀の鳴き声を聞いていると…「茶碗はいいのだ、俺という人間に信用がないだけだ」という考えがふと浮かび、その突然の安心感でぐっすり寝てしまう。

その後彼に信用がつくに従い、彼の茶碗が美しくなったことは言うまでもない。同じ人間が発する言葉でも、その人の信用や信頼性がその効果を左右する。
 「真贋」とはつまりはそこにある。同時に「信用」は一朝一夕には付かないし、せっかく付いてもひとたび間違えばあっという間に失ってしまう。その重要性もまたあらためて思った。

2012年3月28日水曜日

性暴力抑止について


 性暴力被害者の治療と相談を、新年度から佐賀県立病院がまとめて行うことが決まった。警察への被害申告がなくても医師の確認があれば、検査費や処置料など医療費について県が上限を設けずに全額負担する。支援拠点の医療機関と連携して身体面に加え、中長期の精神的サポート体制を確立するというもので、自治体独自のこうした支援は全国的にあまり例がないという。
 当然ながら性暴力問題はきわめて表面化しにくい。いわゆるドメスティック=家庭内暴力のうえ、相手が夫である場合が圧倒的に多いから、第三者に相談しにくい。
 それでもこの種の相談窓口が徐々に増えたことで、その件数が次第に増え、2009年度は全国で7万件と2002年度の2倍に達した。異性から無理やりに性交された経験がある20歳以上の女性は7.3%、うち被害をどこ(だれ)にも相談していない女性は62.6%に上った。
 この深刻な状況を受け内閣府が今年2月から3月にかけ全国一斉に調査した(パープルダイヤル―性暴力・DV相談電話―)ところ、佐賀県は九州で2番目、全国23番目に多い相談があった。佐賀県が今回のプランをまとめたのはことし1月。調査が始まる前だから、実にいいタイミングであり、当を得た対策だったといえる。
 それはともかく、このパープルダイヤルの中身をみると、相談件数は合計で20,462件、佐賀は208件だった。相談者の年齢は30代が22.3%、40代19.4%、20代12.7%の順。70代以上2.4%、10代1.2%だった。
 暴力を振るう相手は「元」も含め配偶者が85.9%と断トツ。交際相手は16.9%だった。暴力の継続年数は「16年以上」が20.7%でトップ。続いて1-3年が16.5%、6-10年11.9%。
 相談目的は「話しを聞いてほしい」が45.7%で最も多く、続いて「情報がほしい」31.2%、「来るべき時に備え準備」11.0%。「今すぐ避難」が2.0%あった。
 余談だが、このアンケート調査をどの媒体で知ったかについては、テレビが61.0%と断トツ。次がインターネットの16.4%。新聞はわずか7.3%と、ちょっと情けない結果に終わった。
 いずれにしろこの問題は年々増加の一途をたどっており、深刻。韓国では一昨年処罰を強化したにもかかわらず、昨年は犯罪件数が前年の2倍になったという。
 暴力を振るう男は最低だ。子供のころ(中2で生徒会の保険部長だった時)、このことを保健室の先生からしっかりと叩き込まれた。「女の子の体はとってもデリケートなの。男の子が優しく守ってあげないといけないんだよ」。中には私よりもうんと体格がよく、とっても頑丈な女子もいたが、異性の体の構造なんて何も知らなかったときに、生理の話を教えられたのは強烈なカルチャーショック。以来、女性に手を上げたことはない。
 個人的なつたない経験ではあるが。やっぱり思春期の教育が最も効果的だと思うのだが。

2012年3月1日木曜日

オカメインコ



ちょっと前の話だが、会社で若い部下たちがはしゃいでいた。聞くとはなしに聴いていると、セキセイインコなどの小さなインコを飼ってみたい、という話のようだ。どれどれ、おじさんの出番だ。i-Phonを片手に話の輪の中に首を突っ込んだ。

「キミたち、知らないの?」。i-Phonのシステムの中から「YouTube(ユーチューブ)」を選び、「検索」ボタンを押して「インコ」と打ち込む。操作する場所、ネットの環境にもよるが、その時は瞬く間に全国から集まったインコファンからの映像の便りが画面にびっしり開く。おしゃべりでいたずら者のオカメインコやセキセイインコ、ダルマインコたちがいっぱいだ。

「ぴーちゃん、おりこさんでしょ、ごはんあげるからね」。早口の高いキーでインコたちがおしゃべり。どれを選んでもほほえましい映像ばかりで、思いっきり癒される。
「YouTube」はもちろんパソコンでもOK。というより、もともとPC(パソコン)向けに作られたもので、今はスマートフォンでも使えるようになったわけだ。

最近は携帯電話に付いているカメラにも動画機能が付加され、ちょっとした映像が撮れる。この機能を使ってたくさんの人が可愛いペットの姿をアップしてくれる。自分で飼えない人が、その映像を見て癒される。

以前、コスタリカから佐賀大学にやって来た留学生と、その子どもたちと知り合い、その後地球の裏側に帰っていった母子から時折、「YouTube」の楽しいビデオレターが届く。しかもこの通信料はただ。なんだか申し訳ないほどだ。こんな素晴らしいものを利用しないって、もったいなくない?

プラス思考の大切さ


プラス思考で前向きに生きることが、結果として「ツキ」を呼びこむ。こんな事例が、実は意外に多いらしい。プラス思考になると、体内にセロトニンという神経伝達物質がたくさん分泌されて集中力が高まり、結果として事がうまく運ぶことにつながるという。この物質が不足すると、うつ病などを誘発する。だめだ、だめだとはかなんで沈んでばかりでは何も生まれない。夢や希望を持って明るく過ごす方が好結果を得られるのは、うなづける話だ。

知人に勧められ「ツキを呼ぶ魔法の言葉」という本を読んだ。本というより小冊子。ページ数は60ページに満たない。あっという間に読み終えるけど、読み終わった後、不思議なほど前向きな気持ちになった。誰もがそうなると、その知人が言った言葉は本当だった。ぜひお勧めしたい。

著者は材料工学や表面改質工学などが専門の工学博士、五日市剛 (いつかいち つよし)さん。学生時代に中東を旅し、そこで出会ったおばあさんに聞いた言葉を素直に信じ、実践した結果、その後の人生が幸運に恵まれたものに変わった、というお話。

そしてその「ツキを呼ぶ魔法の言葉」とは、「ありがとう」「感謝します」「ツイてる」 の3つ。
「運命というのは本当にある。つきも実は簡単に手に入る」と話すおばあさんは、いやなことがあったら「ありがとう」、いいことがあったら「感謝します」と何度も何度も繰り返せ、そうしてたらツキは必ずやってくる、と断言。また「絶対に人の悪口を言ってはいけい。人の口から発せられる言葉は魂を持っているから、常にきれいな言葉を使いなさい」とアドバイスしたという。

若いころ、この話を聞いたら一蹴していただろう。60歳を過ぎた今は理屈では(科学的には)説明できない、多くの自称があることを経験してきたからだろう、なるほどと素直に胸に落ちる。
「ありがとう」「感謝します」「ツイてる」 。「ありがとう」「感謝します」「ツイてる」 。「ありがとう」「感謝します」「ツイてる」 。なんだか気持ちが明るくなってきた。それでいいじゃない。

吉凶は


ことしは全国を猛烈な寒波が襲い、佐賀県内も数年ぶりに厳しい冬になった。特に2月に入った途端、一気に寒が強くなった。

ラニーニャ現象の影響らしい。南米ペルー沖の太平洋赤道付近で海面温度が低下する現象で、深海から冷水が海面に湧き出てくることで、太平洋で貿易風が強まり、西向きの海流が発生する。

この結果、日本では夏場に猛暑、冬は寒が強くなる。ちなみにラニーニャとは、スペイン語で「女の子」の意味。反対に、ここの海面温度が上昇する現象がエルニーニョ、「男の子」の意味だ。ともに数年おきに「異常気象」と呼ばれる強い現象を引き起こしている。今回も昨年11月ごろ、発生を予測する情報がネット上で流れていた。


ただ、ラニーニャ現象が起き、寒が強くなったからといって悪いことばかりではない。確かに風邪や交通事故は増える。しかし一方で、県内産のノリ生育にはこの寒さが幸いした。

有明海の水温が高くて不振だった秋芽網ノリと違って、冷凍網が好調だ。2月に行われた冷凍アミ3回目の入札会では、今季の販売量が初めて3億枚の大台を突破。前季を0.5%上回る3億2800万枚に達し、販売額も1.2%増の36億9900万円になった。
佐賀が誇る有明海苔の生産には、漁場の低水温が何より重要。高くなるとさまざまな病気や、赤潮など生産不能に陥る環境変化が起きてくる。

「吉凶はあざなえる縄のごとし」。何かことが起きると、すぐにマイナス面が強調されがちだが、もう少し視界を広げればこんなふうにちゃんとプラス面がある。
景気をはじめ、このところ世界中が暗くて寒い。
そんな今だからこそ意識して、明るい、いいことを見つける大切さを、あらためて思う。

2012年2月29日水曜日

スマートフォン


今や私はi-Phonが手放せない。たまに家に忘れたりすると、気になって気になって…。少しでも時間ができると、とんぼ返りして取ってくる。自宅と勤務先と車の中の3カ所に、充電器を備え、常に使える状態をキープしている。ネット中毒の子どもたちと変わらないかも。

以前使っていた携帯電話の最大のストレスはインターネットができなかった点。「胸ポケットに入るくらいの小さいパソコンがあったら」と熱望していた。それにこたえてくれたのが米アップル社のiPhoneだ。老眼の私にも苦にならない文字の大きさで、かつては利用しなかった携帯メールも使うようになった。調べものに欠かせないグーグルは最も頻繁に使うアプリ。手入力だけではなく、音声にもちゃんと反応しキーワードに到達できる。プロバイダと契約しなくても無線で、どこででも(山の中は無理だけど)インターネットに接続できる。

そしてメモ帳。手帳もろくに使わなかった私が携帯電話にせっせとメモる。メモ帳にはメール機能が付いており、これをそのまま自分宛てに送って、パソコンに登録。データベースを作って、いつでも引きだせる。

今、自分がいるところから行きたい所までの経路や時間、使う交通手段によって料金までわかる地図もある。インターネットはもともとNASAのシステムを利用したものだから、GPS衛星に電波を飛ばして自らの場所をピンポイントでロックオンしてしまう。
デジタル録音ができて、静止画とムービー両方のカメラとしても機能する。iPodは当然だが、You Tubeでも音楽が聴け、テレビとしてもむろん有効。このほか日本気象協会がサービスする天気予報、産経新聞の都内最終版も読める。

アップルと対立することになったグーグルが、世界中の携帯電話会社に「アンドロイド」という基本ソフト(OS)を無償で配り、あっという間にインターネットができる携帯電話=電話やメールができる小型パソコンの「スマートフォン」が広く使われるようになった。ほんとに便利。いつでも、どこでものユビキタス環境が整い、中東やアフリカでは情報統制ができなくなった王様たちが亡命したり殺されたりする「アラブの春」がやって来た。

ものすごくスピーディーな情報環境の進展は、この先さらに何が起きてくるのか?なかなか予想がつかない。


ウィキペディア


えーっと「TPP」って何だったっけ?「APEC」とは?そもそも「ICT」って?

ファッションや音楽はもとより、経済でも何でも外国から来た用語が当たり前に使われ、しかも省略される。若いころは少しは対応できたが、最近はすぐに忘れてしまう。
そんな時にPCやスマートフォンが本当にありがたい。特に後者はどこにでも持っていけるから重宝だ。グーグルなどの検索エンジンを開いて「TPPとは」と入力すると、新語時事用語辞典 Weblio辞書、ニコニコ大百科、コトバンク(知恵蔵)、そして「Wikipedia(ウィキペディア)」などのウェブ辞書、ネット辞書が次々に現れ、クリックして開くと言葉の解説にとどまらず、その問題点の整理までやってくれる。

ちなみにTPPは「Trans-Pacific Partnership」の略。環太平洋パートナーシップ=環太平洋戦略的経済連携協定のこと。iPhoneひとつを胸に差しておけば、どこで誰に聞かれてもすぐに答えることができる。ついでながら「APEC」はAsia-Pacific Economic Cooperation(アジア太平洋経済協力会議) 。
そして「ICT」は情報information)・通信communication技術Technology)の総称だ。

ネット上の辞書として、最初に現れたのが「Wikipedia」。インターネットで自由に文書を編集できる「ウィキシステム」を使い、誰もが新規に、あるいは既存の記事の編集を行えるシステム。あるキーワードに詳しい人が、その説明を書いて、ネットにアップ。それを読んだもっと詳しい人が、間違った部分を修正、加筆する。この繰り返しで、その言葉のより正しい概念を追求していく、というシステム。3人どころか100人も1000人もの「文殊」たちがよってたかって、その言葉の精度を上げていく。

Wikipediaが立ち上がったばかりのころは玉石混交、むしろ「石」の方が多い、信頼できないとの批判が多かった。そんな中、、2005年に科学誌「ネイチャー」が英国のブリタニカ百科事典とウィキペディアの精度を比較した結果、両者の間に大きな差はないと指摘。後者の評判を押し上げる結果になった。
ただこうしたシステムである以上、特に加筆が少ない段階では信頼できない言葉も常にあるが、紙の事典と異なり、校了がないため時間がたてばたつほど磨きこまれ、より正確なものに追いついていく利点を持つ。

100%の信頼は持てないが、概ね当たっていれば、説明できていれば、とりあえずOK。そう言う風に考えて、このネット事典を使えば、こんな便利なものはない。


癒し、ペット、うまいもの…


地方紙の記者や編集者、さらにはネットの担当者として過ごして来た暮らしが60歳定年を1年延長したところで終わった。

サラリーマン最後の職場は系列のカルチャーセンター。
書道やお茶、踊り、絵画…その道一筋に生きてきた自分の親と同年齢の講師たちとの会話は、自然に穏やかで優しいものになり、私って意外にいい人?なんて思えてなかなかなに快適な暮らしだったのだが。

ま、いいか。

長年にわたってネットの仕事を担当してきたのに、自らはフェイスブックやツイッタ―、ブログさえもやらずに過ごしてきたこれまで。
これを機に、iPhonを使うことでまさにユビキタスな情報空間を満喫している自身の暮らしぶりなど「還暦過ぎの楽しい人生」をブログで紹介していこう。

日々感じた「よしなしこと」も加えつつ、必ずや読んでくれた方に喜んでいただけるような楽しく、お役に立つサイトづくりをめざします。

なにしろ昨今は不景気で楽しくない話が多すぎる。明るく前向きに生きていくか、暗く不景気な顔で過ごしていくかは、考え方一つ。どうせなら未来を信じ、目の前の幸せを素直に味わいながら暮らしていきませんか。

2009年12月11日金曜日

県内地デジ対策 ケーブルテレビと連携


 総務省が発表69.5%にとどまり、計画の72%に届かなかった。テレビのアナログ放送終了(2011年7月)まで600日を切る中、地デジ放送完全移行へ国を挙げた対策が急がれる。

■他県の数倍の費用

 調査は、全国約1万3000人(県内172人)を対象に、地デジが受信できるテレビやチューナーを持つ家庭を調べた。都道府県別普及率では奈良が78.4%でトップ、最下位は岩手の55.2%。佐賀は65.7%で35位だった。
 佐賀の最大の問題は、民放ローカル局が1局しかないため、デジタル化に移行してもNHKと合わせ2局しか視聴できない点だ。これまで通りに他局を見るためには、一部を除いて電波の弱い県外波を増幅しなければならず、ブースターという器6万円と、他県の数倍の費用がかかる。その上、県内は2世代同居などでテレビが複数ある世帯が多く、特に古い家屋では屋内配線にさらに10数万円の費用がかさむケースもある。
 デジタル化は、携帯電話の登場などで窮屈になった電波の周波数帯域問題を解決する上、画質や音質が鮮明になる。インターネット的に使えるデータ放送や、音声解説をつけることも可能で、障害者や高齢者にやさしい機能がいっぱい。また既に半年前に完全移行した米国をはじめデジタル化は世界のすう勢で、日本だけが実施しないという選択もありえない。
 だから国も01年7月に地デジ化に向け電波法を改正、10年後の実施を決めた。ただ、これらすべてを国の主導で進めながら、受信に必要な費用は世帯負担という姿勢には批判が強い。県もこの点を指摘し、国に対策を訴えてきた。結果、ようやく国も専門チームをつくる方針を固め、解決に向け動きだした。
 佐賀対策は、基本的には個々の世帯対応ではなく、ケーブルテレビに委ねようという考え。アンテナ受信は地域や家庭のテレビ台数によって工事内容が変わり、費用も異なるが、ケーブルテレビは地域や家庭の状況に左右されず安定した受信が可能、負担も公平になる、というのが最大の理由だ。

■受信状況の確認を

 既に県内の4割に当たる約12万世帯が加入しており、民放地上波すべてを視聴できる。難視対策やデジタル技術で群を抜く実績がある。何より万一、地デジへの完全移行が計画より遅れることになっても、ケーブルテレビは地デジ放送をアナログテレビで視聴できる「デジアナ変換」の担い手。中長期的に安心して任せられるという判断だ。このため市や町の中にも県と連動し、ケーブルテレビとの連携に動きだすところが出てきた。
 県はまた県電器商業組合に委託して、地デジに関する県民からのさまざまな質問にこたえる「地デジ県民サポートセンター」を開設した。地域やグループ単位に説明する国のデジサポ佐賀と違い、個々の世帯からの問い合わせに細やかに答え、アドバイスしてくれる。まずは自らの受信状況を確認し、その上でケーブル局に加入するかどうかも含め、それぞれが対策を考える時期が来た。

2009年3月21日土曜日

論説・携帯禁止論議 まずは家庭や学校で


文部科学省が小中学校への携帯電話持ち込みを、原則禁止にするよう都道府県教育委員会に通知。同時に2011年度から予定していた小中の新学習指導要領の情報モラル教育を前倒しで実施するよう求めた。4月には、青少年に有害なインターネット情報を見せないようにする有害サイト対策法も施行される。
ただ国がこの問題の前面に立ってこれ以上「規制」の形で推し進めるのは決して好ましくない。学校への携帯持ち込みを禁じても、いじめや犯罪がいきなり減るとは考えにくい。結果、成果が上がらないからと所持自体を禁じ、より厳しい規制に傾くなどエスカレートしていく可能性が否定できないからだ。
子どもたちが、携帯電話のネット掲示板や自己紹介サイトへの書き込みをめぐって、いじめの被害者や加害者になる、さらには犯罪に巻き込まれるトラブルが後を絶たない。対策は必要だ。だが単純な規制は表現の自由との間にあつれきを生む。有害サイト対策の立法化に国や国会議員が当初、正面から対応に乗り出すことをためらっていたのもそのためだ。

■原因とまで言えず

子どもたちを携帯やネットといかに付き合わせていくべきかを考えるのは、やはり子どもとじかに接する親や教師の役割のはずだ。保護者や学校、周囲の大人たちが対策に立ち上がるのが自然であり、この問題で国に主役を譲ってはならない。
今回、文科省が明らかにした調査結果によると「ネットいじめ」は相変わらず増え続けており、07年度は全国の小中高校で5900件(対前年比1000件増)を確認、いじめ全体の6%を占めた。だが裏返せば携帯やネットによって増えたいじめは「6%」にすぎず、関与したとはいえるが、原因になったとまではいえないとみるべき。
また「学校裏サイト」は3万8260件(08年1-3月調査)だったが、うち88%は「2ちゃんねる」などの掲示板にある特定の話題についての書き込み。グループホームページ型のいわゆる「裏サイト」は12%、2000件弱だった。
最近の調査では裏サイトを継続的に見ている子どもは意外に少なく、あまり深刻にとらえるべきではないとの見方もある。だが今回の書き込みも「キモイ」「うざい」など誹謗(ひぼう)中傷が50%、「死ね」や「消えろ」といった暴言も27%。やはりこの中傷や暴言の多さを軽視するわけにはいかない。

■子ども自身考えて

卒業や入学のこの時期は携帯電話がもっとも売れる季節。まずは家庭や学校で使い方をめぐり、しっかり議論してほしい。携帯を学校に持ち込む、持ち込まないやサイトを見せる、見せないの「二元論」では解決の糸口は見えてこない。発信する言葉に責任を持つ、自らが不快なことはほかの人にもしない、個人情報を安易にさらさないなど携帯を正しく賢く使う方法やルール、マナーについて子ども自身に考えさせてほしい。
幸い県内には子どものネット環境を守る活動を地道に続け総理大臣賞に輝いた「Kodomo2.0」のような市民グループがある。佐賀大学や県警、県内自治体、ケーブルテレビ局などの産学官連携も強い。相談や助言を頼むところは多い。

2009年1月23日金曜日

論説・児童ポルノ禁止法改正 冷静に議論尽くせ


 インターネットの普及とともに児童ポルノや子どもの性的虐待画像が広まっているのに、日本の規制が手ぬるい。個人でこの種の映像を持つことを禁止し、過激なアニメーションや漫画なども処罰対象にすべきだと、ユニセフから詰め寄られている。

■11万4000人の署名

 日本ユニセフ協会大使を務めるアグネス・チャンさんが先週、早期の児童ポルノ禁止法改正を求める11万4000人分の署名を携え、自民党の保利耕輔政調会長ら与野党幹部に提出した。昨年11月にユニセフが主催し、140カ国が参加してブラジルで開いた「第3回子どもと青少年の性的搾取に反対する世界会議」が決めた行動計画を受けての行動だ。
 いたいけな子どもたちが心ない大人たちの享楽のための商品になる。こんなむごい事態を容認する国はない。日本も1999年に児童買春・ポルノ規制法を施行、2004年に改正し罰則を強化した。
 ただ、さらに改正すべきと求められている「単純所持」については、芸術的なソフト18歳で切るか切らないかなどによって処罰範囲が広がりすぎ、結論を出せないまま法改正に盛り込まれなかった経緯がある。その後5年、与野党ともに法案を練ってはいるようだが、ともにこの点をしっかり詰めきったとは聞かない。
 さらにユニセフは主要8カ国(G8)の中で、単純所持を規制していないのは日本とロシアだけ、という主張を繰り返す。事実その通りだが一方でこんなデータもある。イタリアに本拠を置く児童保護団体が07七年に行った調査によると、ネット上に置かれた児童ポルノのサイト数は約4万件で、日本は国別順位で7位、457件。トップ3は、いずれも単純所持を禁じているドイツ、オランダ、米国で全体の85%を占めた。

■表現の自由前提に

 むろん、このことだけをもって法改正は意味なしと論ずるつもりはない。ただ改正するのなら、たとえばネットワークで偶然入手したケースへの対応など児童ポルノの要件を正確に規定し、明文化しておかねばならない。あいまいな言葉では解釈に幅ができ、恣意(しい)的な捜査を許す結果にもつながりかねないからだ。
 もうひとつ、この種の事犯を誘発する危険があるという理由で、アニメなどの創作物を規制する動きには「表現の自由」をしっかり担保する前提なしに賛成はできない。
 確かにアニメの一部に過激すぎるものはある。だが、ではどこからが「過激」かという線引きは、「わいせつ」の概念をめぐり表現者や法律家たちの間でいまだに論じられる「チャタレー事件」の例を引くまでもなく難しい。「公序良俗」などの抽象的概念は国や時代によって判断が分かれる。そうならないよう法制化の段階で言葉を慎重に選ばねばならない。
 今、世界のネット事業者たちが連携し、フィルタリングと呼ぶネット網でこれら違法データをはじき飛ばす動きが広がっている。昨年11一月にはこのホットラインが奏功し、国内でも日本人3人が逮捕された。深刻な世界不況の中、国会で急ぎ審議すべきテーマは山とある。この問題はこれらと切り離し、慎重に詰めるべきだ。

2008年11月22日土曜日

論説・太陽光発電 欧州の制度、国は検討を


狂乱の原油価格がようやく沈静化。県内のガソリン価格も一リットル120円台に落ち着いた。だが安心はできない。国際エネルギー機関によると、今回の金融危機で石油開発が遅れ、数年後にはことしを上回る乱高下が懸念されるという。いずれにしろ原油は有限の資源、時の経過とともに価格は上がり続ける。脱石油対策は地球環境面とともに経済面からも喫緊のテーマだ。

■優遇策原動力に

 二酸化炭素(CO2)を排出しないクリーンエネルギーの中で、特に期待が高いのが太陽光発電。太陽光という無限のエネルギーから電気を取り出すメカニズムは、エネルギーと環境の2つの問題を同時に解決する切り札として世界中が注目、地球規模の競争が始まっている。
 日本は2004年までシャープや三洋、三菱などのメーカーがこの分野で世界を大きくリード、世界一の太陽光発電国だった。だが05年度に政府が補助制度をやめた途端、ドイツにその座を奪われた。スペインやフランスなども積極的に市場に参加、ついに昨年は欧州市場全体で日本の5倍に達し、今後ますますその差は広がりそうな勢いだ。
 欧州で太陽光発電が加速する最大の原動力はフィード・イン・タリフ(FIT)という優遇策。太陽光発電の量に応じ、電力の買い取り価格(タリフ)を国が保証、いったん買い取りを開始したら、その後20年間は価格を変えない制度だ。さらにこの買い取り価格は一年ごとに5%程度下がる。狙いは「今年買うより来年まで待つ方が性能が上がり、安くなる」という買い控え心理に歯止めをかけ導入速度を上げるためである。メーカーに対しても発電量当たりに支払う金額を年々下げることで、結果としてコスト削減が実現できる。
 日本はこのFITを採用していない。代わりに電気事業者に対し、販売電力量のうち一定割合を新エネルギーで利用することを義務付けたPRS制度(再生可能エネルギー導入基準)をとり、03年度から施行した。温室効果ガスの排出権取引と同様、ほかからの買い取りもできる。だが、結果は欧州との差を縮めるどころか、逆に水をあけられている。

■政策主導が奏功

 ただ欧州も日本も今のところは火力などが主体であり、太陽光の発電コストは一キロワット当たり45円と火力の2倍かかっている。それでも欧州市場が成長するのはFIT導入などによる政策主導が奏功しているためだ。しかも太陽光発電技術は年々進み、逆に原油は今後も高くなるため15年ごろには双方のコストが同額になると予測される。10倍、30年には40倍に引き上げる目標を掲げ、補助制度も復活させた。本気でこれを実現する気があるなら、FITのような優遇策を加える検討も急ぐべきだ。
 地域で太陽光発電に先進的に取り組んでいるのが大阪・堺市。シャープや関西電力と組み発電所や関連施設を整備、11年度の発電開始に向け着々と準備を進め、シリコンバレーならぬ「ソーラーバレー」の誕生と意気込む。本県でも九州電力や電機メーカーと組んで実現できないか。景気は今後ますます深刻化しそうだ。クリーンエネルギーへの夢に向かって動きだす価値はある。

2008年10月18日土曜日

論説・地域SNS 顔見える安心のサイト


 インターネットを使ったコミュニケート手段の一つにSNS(ソーシャル・ネットワーキング・サイト)がある。趣味や嗜好(しこう)、出身地や出身校など共通の「社交の場」を設け、語り合う会員制サービスだ。最近は特に会員登録の際に属性を求めるため、どこの誰かも分からない人が乱入し過激な意見を振りまくことは少なくなった。「顔が見える安心のサイト」が特徴だ。

■自治体も取り組み

 米国や日本で普及し始めたのは2003年ごろ。会員1500万人を抱える国内最大のサイト「ミクシィ」も04年に誕生した。世界では8億人から13億人(統計によって幅がある)が使っており、日本も登録会員数は1000万人強。06年にスタートした佐賀新聞社の「ひびの」も登録者は9000人を超え、子育てなどさまざまなコミュニティーでにぎわっている。
 企業では社内情報の共有化や企画提案の場に使うなど利用が増えているが、最近は住民とのコミュニケーションに生かそうと、自治体の取り組みも目立つ。自治体で最初にSNSを開設したのは熊本県八代市。04年秋に産声を上げた地域SNS「ごろっとやっちろ」だ。
 多くの自治体は電子掲示板を設けているが、匿名を認めていることで強い極端な発言が幅をきかせ、廃止するケースも多い。八代市もかつては掲示板を使っていたが、時間の経過とともに書き込みが減り活動が鈍ったことから、利用者同士が、より強く「つながり感」を持てる仕組みにしようとSNSに切り替えた。
 狙いは当たり、掲示板時代は600人ほどだった会員が現在は3900人に増え、特にエコロジーやごみ問題など環境に取り組むコミュニティーが活発に動き出した。会員たちに引っ張られるように職員らの意識も高まり、河川浄化活動などが盛んになったという。評判を聞いて他県の自治体からも視察が絶えない。

■「共生社会」に貢献

 同市の担当者が最も気を使っているのは行政とサイトとの距離感。会員同士のやり取りを通じ行政課題を吸い上げるのが狙いだが、この姿勢が出過ぎるとコミュニティーの自由な活動を妨げる。会員同士が近くに居住する地域SNSのメリットを生かし、「オフ会」と呼ぶ顔合わせの機会をつくる程度にとどめる。
 会員たちは、ネットでは積極的に発言している人が、実際に会うと意外に言葉少ななのに驚き、でもそのギャップを楽しんだりしている。会う機会が増え互いのメールアドレスを交換すれば、ネットを介する必要もなくなる。だがそれもいい。SNSがきっかけで住民や職員の自治意識が自然に高まれば、これにまさることはないというわけだ。
 県も、ことし六月に策定した「さがICTビジョン2008」で地域SNSの活用や普及を提唱している。人や地域が強いきずなで結ばれた「共生社会」の実現を目指すこのビジョンにSNSは大いに貢献すると期待している。
 全国のSNS運営者らが一堂に会する第三回地域SNS全国フォーラムが17
、18の両日、佐賀市の県立美術館をメーン会場に開かれる。地域SNSのさらなる可能性などを大いに議論する。参加は自由。まずはどんなものかを知り、そして参加してみてはいかがだろう。生きがいづくりのきっかけが待っているかもしれない。

2008年8月21日木曜日

論説・振り込め詐欺 危ない!ATMでの携帯


 ことし1~6月の振り込め詐欺被害総額は166億9000万円。年間284億円に達した2004年度を超す過去最高のペースで急増していることが、警察庁のまとめで分かった。県警によると県内被害も前年比2400万円増の約7000万円に上る。
 この犯罪の特徴は、被害者のほとんどが携帯電話でATM(現金自動預け払い機)に誘導され、犯人の言うがままに支払ってしまう。自分だけは騙(だま)されないと豪語する人までが見事にひっかかる。

■県内で50件被害

 振り込め詐欺の種類は大きく分けて4つ。県内ではことし50件の被害があり、うち29件と最も多かったのが「融資保証金詐欺」。資金繰りに悩む中小企業などを狙い「特別優遇金利で融資可能。まずは、融資額の1割程度を保証金として振り込んで」という手口だ。冷静に考えれば保証金が必要な融資はないのだが。被害額は4000万円。
 次は「おれおれ」と「架空請求」が八件ずつ。被害額は前者が2000万円、後者は500万円。「おれおれ」は依然減らない。税務署や社会保険事務所などを名乗り、取りすぎていた数万円を戻すからと誘う「還付金詐欺」は5件、300万円だった。
 全国的には、還付金詐欺が急増している。前年の780件から、4倍超の3400件に増え、被害額も同じく4倍の36億円に。それにしても、もらうはずが逆になぜ支払ってしまうのか…。それだけ手口が巧妙なのだ。
 もらえるものと思いこみ携帯電話の指示通りATMへ。だが残高を照会すると入金がない。携帯で問い合わせると「エラーのようです。とりあえず230万円ほど振り込んで。すぐに還付金と合わせ入金します」。ささやかな欲を刺激する携帯電話の魔力。多くの被害者が数十万円から数百万円を騙し取られた。
 この犯罪が多発し始めたのは03年ごろから。親族を装い交通事故の示談金を騙し取る「おれおれ詐欺」が最初に登場。警察、金融機関、メディアが繰り返し注意を呼びかけるのを尻目に犯行は単独犯から組織的に。手口も社会背景に応じ、手を変え品を変え被害を広げている。

■国際化の様相も

 犯罪拡大の背景にはやはり暴力団がいた。免許証や健康保険証などを偽造し、レンタル携帯電話を騙し取り、架空口座を開設、少年たちを使って詐欺を実行していた。6月には関東、関西、北海道で警察が暴力団組事務所を家宅捜索し組員計17人を詐欺などの疑いで逮捕した。また先日は神奈川県警が中国から携帯電話で振り込め詐欺を働いた容疑で中国人2人を逮捕。国際化の様相まで示し始めた。
 ただこの犯罪は犯罪者側にも弱点がある。ばれないよう架空で設けた振込先口座だ。国は金融機関に調査させ、これらの口座約10万件を凍結した。口座に残る50億円を今後2年間で被害者に返還していく。問題は申請の方法が十分に広報されていない点。凍結口座の一覧は、一般にはなじみが薄い預金保険機構のサイトにしかなく、公開されたのもつい最近だ。
 県内では金融機関や県警生活安全部などが相談に応じている。だが何よりの防止策は、携帯電話を持ってコンビニやスーパーなど監視員がいないATMに誘う「甘いささやき」にうかうかと乗らないことにつきる。

2008年7月31日木曜日

論説・県の情報化 高齢者に分かりやすく


 ICT(情報通信技術)活用で快適な暮らしをめざす「さがICTビジョン2008」を発表した県は早速、庁内にICT推進本部を立ち上げ、市町との連携による電子自治体システム共同化への道を探り始めた。高齢者も満足できる情報環境の実現をめざして。

 映像などデータ量が重いデジタル情報をスピーディーにやり取りできるブロードバンド(高速大容量)。この県内世帯カバー率は、国が目標にしている2010年度より2年も早く、ほぼ100%を達成した。
 県土がコンパクトにまとまっているうえ、難視聴ゆえに普及したCATV局のケーブル網が力となり、懸念されていた唐津市の離島対策にもめどがついた―などが大きな理由だ。CATV局のうち四局は無線のワイマックス免許も取得するなど、ブロードバンドにとどまらず通信基盤は他県に比べ極めて厚い。

■同時発信の体制を

 今後は充実したこのインフラをいかに県民の快適な暮らしにつなげるかが課題である。県全体の電子自治体化に合わせ県庁内部でも教育、医療、産業などさまざまな分野ごとに今秋までに推進計画をまとめ、具体的な取り組みを進めていくが、何より優先すべきは地域情報が県内くまなくスピーディーに行き渡ること。特に台風や地震など緊急を要する災害情報の伝達が大事だ。県の防災対策部門に集積される情報が瞬時に新聞やテレビ、CATV局など県内メディアに伝わり、同時に発信される体制づくりを急ぐべきである。
 例えば、人への感染が懸念される鳥インフルエンザの脅威はお隣の韓国まで来ている。この防疫システムの広域運用について、県の川島宏一最高情報統括監が副会長を務める九州情報通信連携推進協議会で、大分県の家畜衛生飼料室が開発したシステムを隣の宮崎県と共同運用する実験も始まった。協議会には佐賀大学も参加しており、こうした近県との連携もしっかり視野に入れておく必要がある。
 県と市町がシステムを共同化して構築しようという電子自治体構想は八月末に各首長で構成する「県ICT推進機構(仮称)」設立からスタートを切る。システムにとどまらず運用や開発を担う技術者の共同化を実現すればコスト面でも大きな成果が期待される。
 ただ県内は合併で大きな市と小さな町の体力差が大きくなった。このため総論賛成、各論反対の傾向は強くなるだろう。無理をせず、スタートできる自治体からという二段構えの始動もしかたない。まずは踏み出すことを優先すべきだ。

■多くの「夢」うたう

 ICTビジョン2008は電子自治体だけでなく、障害者や高齢者のパソコン教室、ICTリーダーの育成などを打ち出し、携帯電話などを使って誰もがどこからでも県内情報を受発信できる「ワンストップ型地域ポータルサイト」で、生涯学習の利便性向上や在宅勤務の促進など多くの「夢」をうたった。
 その実現への第一歩はデジタル化やICT化などのきめ細かな広報である。テレビのアナログ放送停波の時期が三年を切ったことを知っているのは65%、受信方法は52%にすぎないという。またICTにいたっては幅が広く、説明される言葉がアルファベットやカタカナ語が多く高齢者には特に浸透しにくい。
 行政側は関係業者やICTリーダーに要請し、丁寧な情報提供や技術サポートをさせることが重要。県民一人ひとり、とりわけ高齢者の暮らしに視線を向ける姿勢を貫けば「最先端県」の呼称は自(おの)ずとついてくる。

2008年5月17日土曜日

論説・有害サイト対策 判断力育成、大人の義務


 ネット上の有害サイトから青少年を守るべく携帯電話会社がフィルタリング(閲覧制限)の準備を進め、サイトの健全性を民主導でチェックする第三者機関が誕生。与野党の国会議員団は法制化への動きを強めるなどさまざまな組織が課題解決に動きだした。

 国内の携帯電話は既に1億台を超え、1人1台の時代。その中で違法・有害なサイトをきっかけに事件に巻き込まれる子どもたちが後を絶たない。警察庁によると、昨年は出会い系サイト絡みの事件が1753件(前年比8.5%減)発生、うち18歳未満の被害者は1100人(同4.6%減)と統計を取り始めて以来初めて前年を下回った。

■凶悪事件に発展も

 だが、このうち96.5%が携帯電話の利用。また被害者の77.1%が小中高生、特に99%が女子という傾向は変わらない。事件内容は児童買春やポルノ規制法違反が760件で全体の四割強を占めるが、強制わいせつや強盗、さらには殺人など凶悪事件に発展したケースもある。
 警察庁は「性犯罪は被害を申告しにくく、被害実態はもっと多いはず」と分析しており、事態は依然、深刻だ。
 こうした事態を受け、総務省が携帯電話会社に対応を急ぐよう指示。携帯業界は18歳未満のネット利用には親の同意を前提にするなどの対策を実施。フィルタリングについても方向性が固まった。
 携帯電話会社だけにフィルタリングを任せると各社の「公式サイト」を軸に絞り込まれ、友人・知人間だけで情報をやりとりするSNS(ソーシャル・ネットワーキング・サイト)や個人で情報を発信できるブログサイトの多くがシャットアウトされてしまう可能性が大きい。有害サイトの多くもSNSやブログを使っているためだ。
 SNSに関しては佐賀新聞社を皮切りに、いくつかの地方紙がサービスを実施、ブログジャーナリズムと並び新たな情報化推進の柱にもなっている。これが見られなくなる事態は避けなければならない。なにより「表現の自由」や「検閲の禁止」など憲法に抵触しかねない。とはいえ有害サイトは推計五千を超すといわれ、しかも日々量産され続ける。このチェックを携帯会社だけに押しつければ結果はそうなってしまう。
 「ここで動かねば政治の不作為」と自民党議員の一部が動きだし、民主党でもこの問題を法的に解決しようとする動きが出てきた。当初はやや乱暴な案もあったが徐々に整理されてきたようだ。

■客観的認定が目的

 一方、国の規制では臨機応変に対処できないし、なじまないと学者や民間メンバーによる「第三者機関」も相次いで登場してきた。青少年保護とネットビジネスの健全な発展の両方をにらみ、民主導でサイトの健全性を客観的に認定する目的だという。
 いずれにしろ青少年を有害サイトから守るべく政府や与野党、業界や第三者機関など大人たちがよってたかって解決に向かうのは歓迎だ。当面の課題は膨大な有害サイトのチェック。人海戦術に頼っていてはスピードが上がらない。言語処理や検索技術を駆使した省力化システムの開発や、携帯会社ごとの技術開放などが前提になろう。いずれにしろ今秋にはスタートといい、それを待ちたい。
 今やるべきは、この問題の啓発や解決に地域、学校、そして家庭が取り組むこと。有害サイトに限らず、あらゆる事象には正と負の両面があること、そしてそれを判断する力を、大人たちは自らの経験をもとに子どもたちに教えていく義務がある。

2008年3月29日土曜日

論説・救急医療崩壊 ICTも使い対応急げ



 

 救急医療現場で患者の搬送受け入れが深刻化する中、救急隊と病院側の連絡をスピーディーに進めるICTシステムが話題になっている。危機的状況に陥った医師不足など医療の構造的問題の解決を急ぐとともに、ICT分野にも視野を広げ導入を検討してほしい。

 この話題のシステムは、岐阜大学の医学部と工学部が共同で開発している救急医療情報共有支援システム「ジェムシス(GEMSIS)」。地域の救急病院がネットワークを組み、各病院では医師全員が自らの専門分野などを書き込んだICカードを持つ。救急当直の医師たちがカードを読み取り機にかざすと、治療や手術中、待機中など、それぞれの状況がネットワークにリアルタイムで送られる。
 一方、現場では救急隊が患者の年齢や容態などをマイクに吹き込むと、音声が文字情報としてシステムに入力され、患者の症状に対応できる最適の病院が絞り込める。後は空き病床の有無を近い順から確認するだけ。患者の自宅前で待機したまま受け入れ先を探し、ひどいときには数十カ所も電話をかけ続ける救急隊の苦労は大幅に減る。

■救命をスムーズに

 病院側は患者の容態と救急車到着の時間が伝わるので、事前に態勢を整えられる。救命へのむだな時間が一気に短縮される。こんなすぐにでも実用化したいシステムがまだ5000万円ほど資金が足りないため完成に至っていないという。もったいない。
 高速で動画のやり取りができるブロードバンドがほぼ全域に行き渡り、WiMAXなどの無線インフラ(情報基盤)整備にも前向きな本県なら、すぐにでも使えそうなシステムだ。開発技術はそれほど難しいと思えない。佐賀大学や県内ベンチャーでも取り組めそうだ。なぜこれが岐阜という地方の大学でほそぼそと進められているのか。受け入れに時間をとられるうちに命を落とす患者が、今この瞬間にもいる。何としてもこの事態を回避しなければならない。
 むろんこのシステムが実用化されても、肝心の医師や看護師がいなければ問題の解決は遠い。

■集団辞職の事態に

 日本の医療費は高いという不信感が高まったのに病院側の説明が不足。「眠れない」「さみしい」など、救命救急の場にそぐわない患者の増加。その中で多発する医療過誤をめぐる民事訴訟。特に福島県で起きた癒着胎盤に起因する患者死亡のケースでは、1人の当直医が有罪となり、抗議した医師たちが集団辞職する事態に発展。これを機に産婦人科医や小児科医が激減していった。
 また自戒を込めて言うと、こうして救急受け入れが困難になった病院の実態を理解せぬまま「たらい回し」「拒否」などと一方的に非難するメディア。景気低迷を背景に診療報酬を削減し続ける行政。さまざまな要因が重なり、わずかこの数年で日本の医療は「崩壊」と叫ばれるほどの混乱に陥った。
 結果、地方のとりわけ自治体病院では医師不足が急速に進み、県内でも小城に続き武雄市民病院が救急医療の受け入れをやめた。県内の救急告知病院は10年前の約8割に減り、受け入れる病院の負担はますます増え続けている。
 政府もようやく重い腰を上げ、2008年度から大学医学部の定員増を決めた。だが医療費抑制については言及しない。これでは市民病院の救急再開ができない。診療報酬について再検討するとともに、ジェムシスなどICT分野も駆使するなど、あらゆる方法を検討し、1日も早い救急医療体制の再構築を急がなければならない。

2008年2月28日木曜日

論説・WiMAX 無線インフラに期待


県が県内ケーブルテレビ局などと取り組む次世代の高速無線通信「WiMAX(ワイマックス)」の実証実験が佐賀市で始まった。九州では初めて。県南部の広大な佐賀平野を面的にカバーできるこのインフラは、県にとってもってこい。結果に期待が高まる。

■世界規模で普及へ

WiMAXは、処理能力は高いが移動体には向かない無線LANと、常時接続や処理速度はいまひとつの携帯電話などモバイル無線と異なり、両方を満足させるのが特長。「次世代無線」と呼ばれるゆえんだ。
その上、光ケーブルなどの有線に比べ低コストに抑えられるメリットがある。ここに目を付けた総務省がブロードバンド(高速大容量)推進への情報インフラ(基盤)の1つとして、全国と地域の両建てでサービスの担い手を公募。全国版は激しい競争の末に昨年暮れ、携帯電話会社のKDDIとウィルコムの2社に決まった。
地域版は自治体やケーブルテレビ局などを対象に3月3日から本申請が始まる。今回の県内の実験は仮免許での取り組みだ。県庁新行政棟屋上(約60メートル)にアンテナを2基設置し、電波の到達距離や速度、受信した映像の画質などを検証している。
県内一周駅伝でも最終日にこの基地局を使って、移動車から映像の受発信を行った。基地局からの映像の送り(下り)は十㌔あたりまで届いたが、移動車から基地局への送り(上り)はせいぜい3―4キロだった。下りに比べ上りが弱いのは有線も同じだが、期待が大きかっただけに、初めての実験は関係者を少しがっかりさせたようだ。
むろん関係者たちはあきらめてはいない。コスト抑制の早道は、何よりWiMAXそのものの普及だ。数年前から繰り返された実験で、インフラとしての能力の高さは世界標準のお墨付きを得ている。今後は世界規模で普及する可能性も高い。さらには一足早くスタートする全国版のKDDIなどが技術・営業両面で低コスト化への道を大急ぎで探っている。県や地元企業は3月末までさまざまなテーマで実験、課題を洗い出して県の新しい情報インフラとしての採用を判断する。

■難しい導入の判断

ただ判断で難しいのは、情報通信技術の進展の速さ。このWiMAXの登場もそうだが有線、無線、衛星などのインフラからメディア(媒体)まで次々に新手が加わり続ける。常により快適で低コストな技術が生まれる情報の分野は何を、いつ導入するかの判断が難しい。総務省の情報化施策がくるくる変わってもあまり批判されないのも、ここにある。
そんな総務省も2011年7月に予定される地上波のアナログからデジタルへの変換という情報化のゴールだけは動かさない。前年の一〇年度には全国の情報環境を百パーセントブロードバンド(高速大容量)化するとして着々と準備を進めている。
古川県政も情報から取り残される地域や世代をゼロにするため、ブロードバンド百パーセントは国より2年前の08年度までに計画するなど積極的だ。先週、神埼市で開かれた「九州地域情報化研究会in佐賀」には民間の技術者に交じり、県の情報化担当者らも泊まり込み、WiMAX本格導入の可能性を探った。
採用の判断は難しいが、漫然と先延ばしにもできない。だからこその熱心な調査、研究なのだろう。厳しい県予算をやりくりしながら県内と県外の民間連携も視野に入れ、インフラとメディアの双方を重層的に準備して方針は揺るがせない。